大分といえば温泉、というイメージが強いですが、食べものも負けていません。
「大分で生まれた料理ってどんなものがあるんだろう」と気になって、いくつか調べてみました。出てくる出てくる。そして気づいたことがあります。
大分の食、やたら鶏が多い。
まず、大分は「鶏肉消費量日本一」だった
都道府県庁所在地と政令指定都市を対象にした総務省統計局の調査によると、大分市の鶏肉消費量は全国トップクラス。 Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries
大分に住んでいると「鶏が多いな」とは思っていましたが、まさか消費量トップクラスとは。
その背景には、古くから養鶏場が多くあった中津をはじめ、ひと昔前までは鶏を飼っている一般家庭も珍しくなく、採卵目当ての「親鳥」が卵を産まなくなると、地域行事や祝いごとの日に捌かれて料理に用いられた Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheriesという文化があります。
それだけ鶏が生活に根づいていたからこそ、鶏料理が多彩に発展したんですね。
① とり天|別府生まれのソウルフード
大分を代表するご当地グルメといえば、まずこれ。
昭和初期に別府市の「東洋軒」で「鶏ノカマボコノ天麩羅」として誕生し、現在は大分県民のソウルフードとして広く愛されています。 Nap Camp
鶏肉に下味をつけて衣をつけて揚げる、シンプルな料理です。食べるときはかぼすを絞ったり、酢醤油やポン酢につけるのが一般的。
大分では喫茶店にも食堂にも普通にメニューにあって、子どものころから当たり前に食べているものです。県外の人に「とり天ってどこでも食べられるんじゃないの?」と言ったら「違うよ」と言われたことがあります。
② 中津からあげ|全国に広まった発祥の地
中津からあげは大分県中津市発祥のご当地グルメで、全国的に有名な鶏のから揚げです。中津市には多くのから揚げ専門店があり、各店舗が独自の味付けと調理法で競い合っています。 Nap Camp
ニンニクと生姜をベースにした醤油味のタレに鶏肉を漬け込み、片栗粉と小麦粉をブレンドした衣で揚げることで、外はカリッと中はジューシーな食感 Nap Campが生まれます。
今や全国にから揚げ専門店が広まりましたが、その発祥は大分・中津だったわけです。
③ やせうま|平安時代から続くおやつ
鶏以外にも、大分には古い食文化があります。
練った小麦粉を平たくのばしてゆでたものに、きなこや砂糖をまぶして食す、昔ながらのおやつ。 Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries
名前の由来がおもしろくて、平安時代、乳母の八瀬(やせ)が、貴族の若君の健やかな成長のために参拝に向かった道中、お腹がすいた若君が「八瀬(やせ)、うま(食べ物を指す幼児語)」といい、その度に八瀬が小麦粉を薄くのばしてきなこをまぶしたものを若君に食べさせたことから、「やせうま」と呼ばれるようになった Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheriesといわれています。
平安時代のエピソードが名前に残っているというのが、なんかすごいなと思います。
④ りゅうきゅう|漁師生まれの魚の漬け
大分の海でとれた新鮮な魚をおろして、しょうゆやみりん、酒などで作った調味液にねぎやしょうが、ごま等の薬味と一緒に浸け込む。そのまま酒の肴にするも良し、あつあつの白ご飯に乗せても良し、さらにお湯やお茶を加えてお茶漬けにするも良し。手軽で豪快な漁師料理です。 Visit Oita
アジやサバなどの新鮮な魚を醤油ベースのタレに漬けたもので、ご飯との相性が抜群。大分の居酒屋に行くと必ずあるメニューのひとつです。
⑤ だんご汁|粉食文化の代表格
大分県は台地が発達しており、米づくりに適さない土地が多く、古くから畑を基盤として穀物栽培が営まれてきた。 Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheriesその結果、小麦粉を使った「粉食文化」が根づきました。
その代表が「だんご汁」。具だくさんの味噌汁に、小麦粉をこねて伸ばしただんごが入っています。うどんに似た麺状のだんごで、素朴で体があたたまる味です。
⑥ かぼす|実は大分がほぼ独占
料理そのものではありませんが、忘れられないのがかぼす。
全国生産量の96%を占めているかぼす。 Nap Camp
つまり、日本全国で食べられているかぼすのほぼ全部が大分産ということになります。とり天にも、関あじ・関さばにも、温泉卵にも。大分の料理にはかぼすが欠かせません。
大分在住のあかりが思うこと
改めて並べてみると、大分の食文化の多様さに気づきます。
鶏料理(とり天・中津からあげ・鶏めし)、海の幸(関あじ・関さば・りゅうきゅう)、粉食文化(やせうま・だんご汁)、そしてかぼす。
それぞれに歴史があって、生まれた理由があって、地域の暮らしと結びついている。温泉だけじゃなく、こういう食の話を掘り下げていくのも楽しいなと思っています。
まとめ
- 大分市は鶏肉消費量が全国トップクラス
- とり天は昭和初期に別府で誕生したソウルフード
- 中津からあげは全国に広まったから揚げの発祥地
- やせうまは平安時代にルーツを持つ郷土おやつ
- りゅうきゅうは漁師生まれの魚の漬け料理
- かぼすは全国生産量の96%が大分産