初詣に行く。七五三でお参りする。旅行先で立ち寄る。
日本人なら何度も神社やお寺に足を運んでいるはずなのに、「で、神社とお寺って何が違うの?」と聞かれると、なんとなくしか答えられない。
私もそうでした。「鳥居があるのが神社かな…」くらいのことしか言えなかったので、ちゃんと調べてみました。
一番の違いは「宗教」
まず根本から。
簡単にいうと、お寺は仏教、神社は神道という異なる宗教の施設です。 MATCHA
神社は神道(日本古来の宗教)の施設で、お寺は仏教(インド発祥の宗教)の施設。この一言が一番シンプルな答えです。
仏教は、ゴータマ・シッダールタにより、紀元前5世紀ごろにインドで誕生しました。日本には、中国を経由して6世紀半ばごろに伝わってきたとされています。 MATCHA
つまりお寺は「外から来た宗教」の施設で、神社は「もともと日本にあった信仰」の施設ということになります。
何を拝んでいるかが違う
拝んでいる対象も全然違います。
お寺の場合:仏像 寺では釈迦如来や観音菩薩といった「仏」を祀っており、仏の姿を形にした「仏像」が目に見える場所に安置されており、その仏像に向かって手を合わせ拝みます。 THE GATE
神社の場合:御神体(見えない) 神社では、神が宿るとされる鏡や剣、玉などを「御神体」という形で安置しています。中には山や岩、滝といった自然そのものを御神体としている神社も。しかし御神体は神聖なものであるとして、通常人の目に触れることはなく神社の奥に安置されています。 THE GATE
お寺では仏像が見える。神社では御神体は見えない。これが大きな違いです。
見た目の違いで見分けるポイント
① 鳥居があるのが神社、山門があるのがお寺
神社の入り口にある鳥居は、人間が暮らす外の俗世間と境内の神域を分ける役割があります。 TEPCO
お寺の入り口には「山門」という大きな門があります。これが一番わかりやすい目印です。
ただし後で説明するように、例外もあります。
② 狛犬がいるのが神社、仁王像がいるのがお寺
神社の入り口には阿吽の狛犬が一対いることが多いです。お寺の山門には怖い顔をした仁王像がいることが多い。
③ お墓があるのはお寺 お墓のある神社はまずありません。神道では死を穢れとして遠ざけるため、死者のための空間を持たないのです。 Ten MTV
お墓が見えたらお寺です。
お参りの作法が違う
参拝の仕方も違います。
神社のお参り:二礼二拍手一礼 深いお辞儀を2回→拍手を2回→最後にもう1回お辞儀。手を叩くのが神社の作法です。
お寺のお参り:合掌のみ お寺の参拝では神社のような拍手は行わず、両手を合わせる「合掌」のみとされる。 Hakken-japan
お寺では手を叩かないのがポイントです。
なぜ「どっちかわからない」場所があるの?
調べていて「あ、だからか」と思ったことがあります。
神社とお寺、なんとなく似ていてわかりにくいと感じることがありませんか。それには歴史的な理由があります。
日本に仏教が伝わり民衆に広まっていく過程で、この2つの融和がなされました(神仏習合)。それから長い間、仏と神、お寺と神社は大きな違いなく同じもののように受け入れられていましたが、明治政府が神仏分離令を発したことにより、お寺と神社は現在のようにはっきりと区別されるようになりました。 Koushoji
つまり、江戸時代まではお寺と神社が一緒くたになっていた時期が長かったのです。神社の中にお寺があったり、お寺の境内に鳥居があったりするのはその名残です。
今でも鳥居が残るお寺や神社をお守りしているお寺も多数残っています。 Koushoji
「鳥居があるのが神社」と覚えていても例外があるのは、こういう歴史的な背景があるからでした。
神社とお寺、使い分けってあるの?
日本人はお祝い事は神社、お葬式はお寺という使い分けをしていることが多いです。
七五三・初宮参り・神前結婚式などは神社。葬儀・法事・お盆のお墓参りはお寺。なんとなくそうなっているのを思い返すと「たしかに」と思います。
大分の話をひとつ
大分・宇佐市にある「宇佐神宮」は全国に4万社以上ある八幡神社の総本社として有名ですが、境内にかつて「弥勒寺」というお寺が建てられていた歴史があります。神仏習合の典型的な例として歴史の教科書にも出てくる場所が、大分にあるというのは大分県民として少し誇らしい気持ちになります。
まとめ
神社とお寺の基本的な違い
| 神社 | お寺 | |
|---|---|---|
| 宗教 | 神道(日本古来) | 仏教(インド発祥) |
| 拝む対象 | 御神体(見えない) | 仏像(見える) |
| 入り口 | 鳥居 | 山門 |
| 守り神 | 狛犬 | 仁王像 |
| お墓 | なし | あり |
| お参りの作法 | 二礼二拍手一礼 | 合掌のみ |
| 働く人 | 神主・巫女 | お坊さん |
ただし、長い神仏習合の歴史があるため、鳥居のあるお寺や仏像のある神社など例外もたくさんあります。「なんかおかしいな」と思ったら、歴史の名残かもしれません。